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interview 経営とオフィス

各企業がどのような経営戦略や人材戦略のもとに、オフィス移転を決めたのか?
代表者のインタビューでお届けします。

[ チームラボアーキテクツ株式会社 ]
一級建築士 河田 将吾氏

10月

22

2013

チームラボ株式会社 様
デジタルの情報を、実空間のコミュニケーションにフィードバックする

東京大学・東京工業大学の大学院生・学部生が集まり、2001年3月に文京区内で誕生した「チームラボ」。戦略と研究、Webデザインと開発、テクノロジーの研究と開発、コンテンツ制作と開発、空間設計を手がけ、“クリエイティブとテクノロジーの融合”をコンセプトに最先端のテクノロジーを用いて驚きの仕組みを創造し続けている。

 

メンバーが共有できるプラットフォームを構築

2002年に有限会社から株式会社へ改組し、何回かオフィス移転を経て、2012年2月13日、本社を現在の「東接本郷ビル」へ移転した。現在は「チームラボアーキテクツ株式会社」などいくつかの関連会社と、より専門性に特化した事業を展開している。チームのメンバー全員が共有できる実験室として機能すべく、プラットフォームを構築しているのが特徴だ。

「私たちチームラボのオフィスは、メンバーが制作したアートやプロダクトを至るところに展示し、オフィス全体がディズニーランドのような楽しい空間になることを目指しています」(チームラボアーキテクツ代表・一級建築士・河田将吾氏)

同社オフィスに導入された楽しい仕掛けの数々は、“デジタル化”がひとつの共通キーワードとなっており、「モニタの画面から実空間へ情報を引き出す」ための技術の進歩がその背景にある。つまり、かつてはマウスとブラウザを通じて情報を引き出すのが主流であり、データの容量や送受信にかかる処理速度の問題から、もっぱら文字情報に限定されていた。しかし、今日では情報通信技術が飛躍的な進歩を遂げ、動画や音声などより複雑な情報を容易に取り扱うことが可能になっている。

「たとえば、『チームラボハンガー』という商品があります。ハンガーを手に取るとモニタの画像が切り替わる商品ですが、これはハンガー自体がコンピュータになっていると考えていただいていいでしょう。マウスとブラウザの代わりにハンガーから直接情報を引き出しているというわけです」(河田氏)

 

長年育まれた企業文化をデジタルによって普遍化
個々のメンバーが居心地の良いようにカスタマイズしている執務エリア

個々のメンバーが居心地の良いようにカスタマイズしている執務エリア

自社開発した「フェイスタッチ」を エントランスに設置

自社開発した「フェイスタッチ」を
エントランスに設置

“デジタル化”の本質について、河田氏は次のように分析してみせる。
「私もそうですが、誰かに初めてお会いするとき、Facebookなどで事前に情報をチェックし、準備されている方は多いと思います。これは、デジタルの情報を、実空間でのコミュニケーションにフィードバックしようという試みでしょう。当社のオフィスづくりには、こうした発想が随所に組み込まれています」(河田氏)

その代表的なものが、同社が独自に開発し、商品化もされている「フェイスタッチ」である。エントランスに大画面のタッチパネルを設置してあり、全社員の個人情報が顔写真+フルネーム付きで公開されている。これは来客のためのインタフォンで、担当者の写真にタッチして呼び出すのだが、このとき、担当者のプロフィール(趣味や好きな食べ物など)情報が表示されるとともに、デフォルトの顔写真からまったく別の顔写真と切り替えることができる。たとえば “お堅いスーツ姿の写真”と“コスプレ写真”など、1枚目と2枚目のギャップが大きいほど、その人物の持つ多様性が浮かび上がるという仕掛けである。

「初対面のとき、人は誰でも相手のことを理解しようと努めますが、その際に重要なのが自分と相手との『共通項』を探すことです。同じ地方の出身だとか、音楽の趣味やひいきのスポーツチームが同じだったりすると、とたんに話が弾み、ビジネスもうまくいくというケースが少なくないのです」(河田氏)

同社は旧オフィス時代から社員の自己紹介カードをエントランスに掲示していたという。フェイスタッチはそのデジタル版だが、技術の進歩だけでこうしたツールは生まれない。長年の企業文化が生んだ発想といえるだろう。

細長いゴム製のベルトを束ねて壁を形成した小部屋である「やわらか茶室」、さまざまな工具や材料を使った実験や試作品がその場で作れる「工作室」など、他社では見られないユニークな仕掛けの数々も、やはり同社の企業文化の所産である。同社オフィスの最大の特徴は、“遊び心”と“実用性”のベクトルが同じ方向を指していることではないだろうか。

 

呼び出す相手を選んでタッチすると画像が切り替わる

呼び出す相手を選んでタッチすると画像が切り替わる

「やわらか茶室」は、やわらかくてのびるゴムひもでできている

「やわらか茶室」は、やわらかくてのびるゴムひもでできている

オフィスの一角に作られた専用スペース「工作室」

オフィスの一角に作られた専用スペース「工作室」

ハンガーを取ると画像が切り替わる「teamLabHanger」

ハンガーを取ると画像が切り替わる「teamLabHanger」

PICK UP!

執務エリア
個々のメンバーが居心地の良いようにカスタマイズしている執務エリア
エントランス
自社開発した「フェイスタッチ」を
エントランスに設置
フリースペース
「やわらか茶室」は、やわらかくてのびるゴムひもでできている
作業スペース
オフィスの一角に作られた専用スペース「工作室」
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