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interview 経営とオフィス

各企業がどのような経営戦略や人材戦略のもとに、オフィス移転を決めたのか?
代表者のインタビューでお届けします。

[ 執行役員 エース・ファー・イースト リージョナル・バイス・プレジデント 兼 最高業務管理責任者(CAO) ]

2月

22

2016

エース損害保険株式会社
4つのオフィス集約して業務を効率化 ハイパフォーマンスを生む空間構築
日本の全拠点でデザイン統一
ブランド力向上で満足度と業績上昇

 

 

「斬新な発想」と世界54ヵ国に展開するグローバルネットワークをもとに「選ばれる保険会社」として、損害保険会社で世界5位の実績を持つエースグループ。その一員として日本で事業拡大しているのがエース損害保険株式会社である。

 

1985年に設立されたエースグループは、法人から個人まで幅広い保険商品を手がけており、保険ビジネスに特化したエキスパート集団として知られている。

 

1996年に日本で法人化され、目黒のアルコタワーを本社として、都内だけでも大手町、渋谷、清澄の4ヵ所にオフィスを構えていた同社は、2014年2月に4つのオフィスを統合する形で本社を移転。『ガーデンシティ品川御殿山』を拠点に新たなスタートを切った。

 

この移転について、オフィス環境の責任者である同社執行役員で最高業務管理責任者(CAO)のウィリアム・ワーバ氏はこう語る。

 

「当社は小さな規模から始まった会社で、成長にともない企業買収や人材採用を行ない、次第にオフィスが手狭になって、結果的に4ヵ所にオフィスが分かれていました。しかし、会議や打ち合わせの度に移動時間と費用をかけて目黒に集まっており、非常に効率が悪かったのです。そこで4ヵ所に点在するオフィスを統合する目的で移転を決断しました」

 

驚くのは、この移転は本社だけでなく、北海道支店、北関東支店、神奈川支店、静岡支店、沖縄支店と5つの支店が同じコンセプトで同年に移転したことだ。その背景には、社員が会社にとって大切な存在だという理念がある。

 

2012年にCEOに就任したジェフ・ヘイガー氏は、「保険業界はPeople Industry(人が一番重要な業界)と言われています」「社外ではお客様および代理店の皆さま、社内では社員が当社の財産であると考えています」と述べており、その考えの延長線上に、今回の移転があった。

 

社員の環境を管理する立場であるコーポレートサービス部の部長・相野貴信氏は、社員の満足度をリサーチしたところ、その低さを痛感し、移転の必要性を感じていたという。

 

「移転前に社員の皆さんから様々な意見を聞き、オフィス環境に満足していない状況が浮き彫りになっていました。それを積極的に改善するためには移転が必要という結論に至ったのですが、非常に大きな費用がかかり、簡単には実現できませんでした。しかし、当社のスローガンは『Cando』です。役員であるワーバ氏の協力を得ながら、社員満足度を高め、業務の効率化を図るために今回の移転を実現することができました」

 

品川が候補エリアになったのは、グローバルに展開している企業であり、全国に支店が所在することから新幹線や羽田空港とのアクセスの良さがポイントになった。

 

また、4ヵ所のオフィスを1フロアに集約できる面積が確保でき、安全性の面でも免震構造になっているガーデンシティ品川御殿山は同社の要望に応えるビルだったとワーバ氏は言う。「とても静かな環境にあり、安全面も考慮されています。積水ハウスの物件ということでビルの外観もデザイン性に優れており、私たちの求めていた方向性に合致していました」

 

ガーデンシティ品川御殿山は、品川、五反田駅からそれぞれ徒歩12分の閑静なエリアに位置し、各駅からのビル専用のシャトルバスも利用でき、非常に利便性が高い。また、入居テナントが自由に利用できる屋上庭園もある。社員満足度を追及する同社にとって、メリットの多い魅力的なオフィスビルだったと言えるだろう。

 

 

執務エリアでチーム力を高めさらに強くて大きな損害保険会社へ

新オフィスを構築するにあたって、同社が意識したのは「オープンなコミュニケーション」と「クリエイティビティ」だという。

 

「4ヵ所にオフィスが分かれていたことによるコミュニケーション難が問題だったため、1フロアに集約して改善することがオフィスづくりのコンセプトでした。そのため執務エリアの壁をなくし、社員同士がコミュニケーションを取りやすい環境にしています」(相野氏)

 

「以前のオフィスはデスクを島型に並べただけで、隣の社員としかコミュニケーションが取れず、従業員からの評判も良くありませんでした。また、色調の地味なオフィスで、クリエイティビティが発揮できる空間ではないという認識もありました。そこで、移転にともない、社員がクリエイティビティを発揮できるオフィス環境をつくりたいと考えたのです」(ワーバ氏)

 

その意向が最も反映されているのは執務エリアである。コミュニケーションを分断するような壁がなく、非常に開放的な空間になっている。各デスクにはコーポレートカラーを配したパーティションがあり、部署名が天井から吊るされた三角フラッグに記されるなど、クリエイティブな雰囲気が感じられる。

 

また、デスクは部署間やチームごとに連結しており、隣だけでなく、前後斜めと360度のコミュニケーションが可能な円形の配置になっている。中央にはチームで打ち合わせするためのテーブルもあり、このレイアウトにはチーム力を高めるためのコミュニケーションを促す効果があるという。

 

エース4

執務エリアは島型にデスクを並べていたが、移転をきっかけにチームでコミュニケーションがとりやすい配置に変更。

 

今やコミュニケーション活性化の仕掛けはオフィス構築の必須条件と言えるが、この執務エリアにはさらなる特徴がある。

 

「そもそも今回の移転の目的のひとつは、従業員の皆さんに働きやすい環境を提供することでした。よく窓際に役員室があったり、デスクが置かれていたりするオフィスがありますが、当社では窓際の明るいスペースを従業員が使い、奥まった壁際に役員室があります。従業員の皆さんに生き生きとした職場環境を提供することで、さらなるパフォーマンスが発揮される効果を期待したのです」(ワーバ氏)

 

執務エリア全体を見渡すと、デスクと窓の間には広々としたスペースが確保されており、打ち合わせ用のソファが置かれている。従業員の働きやすさ、快適さを追求したレイアウトと言えるだろう。

 

エース5

執務エリア全体は紫やオレンジなどの色を使い、三角フラッグで部署名が表示されている。

 

 

 

 

 

 

 

同社CEOが「社員が当社の財産」と語っている通り、従業員にとって働きやすい環境が構築されている。従業員の満足度が高まればパフォーマンスが向上し、業績アップにもつながるという考えだ。

 

「従業員の皆さんへのメッセージとして、働く環境にしっかり投資をする会社だと示す目的もありました。会社から従業員に対して何らかの投資をすれば、従業員からは必ず前向きな反応が返ってきます。モチベーションが高まり、パフォーマンスが向上する効果があります。それに対して会社のコミットメントがあることで、さらに業績も上がるという具合に好循環させる期待がありました」(ワーバ氏)

 

1,740坪の新オフィスは、エレベーターをはさんで北側と南側に大きく分かれている。その両方のエリアに新設されたのが「ブレイクアウトルーム」と呼ばれるフリースペースである。このブレイクアウトルームは、社員同士のコミュニケーションを目的に設けられたもので、打ち合わせや昼食、リフレッシュ、また社内イベントなどで広く活用されているという。

 

エース3

社員が自由に利用できるブレイクアウトルームはランチや打ち合わせにも活用されている。

 

「これまではランチをデスクで食べる人も多かったのですが、今はブレイクアウトルームもあれば、屋上庭園もあります。外に出て品川まで食事に行くこともできます。そうした便利さも含めて、従業員満足度が高まっていることを感じています」(ワーバ氏)

 

満足度を示すデータとして、同社にはオペレーションやクレーム対応などカスタマーサービスの部署があるが、一般的なコールセンターと比較して3分の1以下の離職率だというから、いかに同社の環境が充実しているかを窺い知ることができる。「外部のお客様からも、エースもかっこよくなったねと言ってくださっていて、このオフィスによってブランドイメージが良くなってきたことを感じています」(相野氏)

 

エース・グループは2015年7月、世界大手損害保険会社のChubb(チャブ)を238億ドルで買収することを発表し、統合後は世界1位の保険引受利益を誇る規模となる。さらに現在はChubbとのブランドイメージを統一する計画を進めているという。

 

「Chubbが加わったことで、さらに強くて大きな損害保険会社になれると考えています。移転からまだ2年足らずですが、Chubb統合によるリブランディングは大きな変化になります。本社が1ヵ所に集約された効果を生かし、効率良く計画を進められると期待しており、会社としてのスピード感の向上も移転の大きな効果だと思います」(相野氏)

 

社員の目線に立ったオフィス環境の改善によって、同社の飛躍はさらに加速しているようだ。

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