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5月

18

2015

再開発の気運高まる 赤坂エリアの展望

西に赤坂御用地、東に政治の中心地・永田町にはさまれた赤坂エリアは、利便性の高いビジネスの拠点であると同時に、芸能・映像関係者が数多く立地する情報発信地であり、また繁華街としての側面も併せ持つ。そんな街の象徴となっていたグランドプリンスホテル赤坂(旧赤坂プリンスホテル)が閉館。跡地でスタートした大規模再開発を中心に、赤坂は新たな局面を迎えようとしている。赤坂・六本木エリアの現状と動向を探る。

 

国際色豊かな赤坂エリアがアジア有数のビジネス特区へ

image01国際戦略総合特別区域である「アジアヘッドクォーター特区」とは、「東京の国際競争力を向上させ、さらなる成長へと導くため、アジア地域の業務統括拠点や研究開発拠点のより一層の集積を目指し、特区内への外国企業誘致を推進する」ことを目的としている。

つまりは、ビジネスシーンにおいて東京をアジアの中心に据えるべく、2011年に施行された新たな制度である。
赤坂はこの特区に指定されている。アジアヘッドクォーター特区は、金融やビジネス街など特色のある5つのエリアが指定されており、赤坂は六本木とともに最先端の文化エリアとして位置づけられている。

 

古くは、江戸時代末期から明治時代にかけ、海外の要人を迎え入れる滞在先に指定されてきたのが赤坂だった。

当時は大きな寺院が宿泊先として利用されており、赤坂には滞在先として適した大きな寺院が数多く存在していたことが要因だった。また、当時の政府としても賓客を1ヵ所に集約させたほうが対応しやすいという理由もあった。

現在、赤坂のある港区に80もの大使館があるのは、そうしたルーツによるものである。国際色豊かな街の礎は、約200年前につくられたものだった。のちに、滞在先が寺院から大使館に代わり、赤坂の地に根づく。その国のコミュニティが生まれ、文化が浸透していく。
現在、赤坂エリアにおける外国人の割合は全体の9%に増加し、外資系企業の数は赤坂を含む港区が全国で断トツの1位となっている。

 

 

image02 時代に応じて表情を変える赤坂再開発の流れ

かつて江戸城の西側の守りを固めるために武家屋敷が建ち並んだ赤坂の街は、時代の流れによって陸軍第一連隊や近衛第三連隊が駐屯し、軍人の街に姿を変えた。戦後、近衛第三連隊の駐屯跡地にTBSが社屋を移転し、陸軍第一連隊の駐屯跡地はのちに防衛庁、現在は東京ミッドタウンへと生まれ変わった。赤坂エリアは再開発されるごとに大きく表情を変えてきた。

アジアヘッドクォーター特区に指定されて3年、現在の赤坂では再開発の気運が高まっている。2020年東京オリンピック開催とあいまって、このムードは今後ピークを迎えることが予想されている。その鍵となるのが現在計画されている再開発プロジェクトである。

赤坂プリンス跡地をはじめ東京五輪に向け再開発が進む

image03赤坂を代表するランドマークとして、半世紀以上にわたって広く親しまれたグランドプリンスホテル赤坂(旧称・赤坂プリンスホテル)が2011年3月をもって営業を終了した。

この跡地で現在開発が進んでいるのが「東京ガーデンテラス」(グランドプリンスホテル赤坂跡地開発計画)である。
余談ではあるが、この開発は解体の段階から話題を集めた。従来の解体作業といえば、文字通りビルを取り壊していくイメージがあるが、今回は「テコレップシステム」という大成建設が開発した解体技術が導入された。

第14回国土技術開発賞の最優秀賞を受賞したこの技術は、建物の屋根を有効利用し、解体する階層のみを覆って閉鎖。1フロアごとに解体していく。外から見ると、まるでビルが建築される映像を逆再生するかのように、建物が徐々に縮んでいき、いつの間にか解体作業が完了しているというものだった。

image06一世を風靡した“赤プリ”は、最後まで赤プリらしく話題を集めながらその歴史に幕を閉じたのだった。
さて、赤坂エリア新時代の幕開けを予感させる「東京ガーデンテラス」は、東京都の指定有形文化財である旧李王家東京邸(旧グランドプリンス赤坂旧館)を保存しつつ、オフィス・ホテル棟と住宅棟の2棟を建設し、複合市街地を目指す計画で、2016年夏頃の開業を目指して着々と工事が進行している。

オフィス・ホテル棟は地上36階、地下2階建て、高さ180mとなり、低層階が商業施設、28階までがオフィス、高層階はプリンスホテルが運営するホテルになる。

 

オフィスは、ワンフロア1,000坪超、18mのワイドスパンという空間を確保しており、赤坂エリアの新たなランドマークのみならず、ビジネスの拠点としても早くから注目を集めている。赤坂見附駅、永田町駅に近接し、地下鉄5路線が利用可能という利便性の高さも注目される要因だろう。

image07グランドプリンスホテル赤坂跡地から少し南下した赤坂2丁目では、サンケイビルとオリックス不動産が共同開発する「(仮称)山王プロジェクト」がスタートしている。
赤坂駅から徒歩2分で4線3駅が利用可能と優れた立地条件で、耐震性能、BCP(事業継続計画)、環境配慮をテーマにしたオフィスビルとなる。2016年秋の竣工に向けて進行中。

さらに虎ノ門方面へ南下すると、2017年4月の竣工予定で「赤坂一丁目地区第一種市街地再開発事業」が進行中だ。
約2.5haの広大なエリアの大規模複合開発で、オフィスビルは地上37階、高さ200mとなり、フロア数は31、総貸室面積は24,000坪の予定である。溜池山王駅から地下道で直結と利便性も高い。

 

六本木方面に目を向けると、住友不動産最大級のフラッグシッププロジェクト「六本木三丁目東地区第一種市街地再開発事業」が進行している。隣接する「泉ガーデンタワー」と調和する新たなランドマークとして、2016年3月竣工に向けて着工している。施工区域は約2.7ha、延べ床面積が約6万坪規模。オフィスの入る業務棟は地上40階、地下5階建てで、免震構造、制震構造となっている。

その他の特徴としては、ビルの竣工に合わせて南北線の六本木一丁目駅西口改札を新設し、駅直結のダイレクトアクセスが可能になることと、緑化推進と防災対策の観点から、南北にそれぞれ1,000㎡を超える広場が設けられることだ。

 

また、赤坂ツインタワーの本館と東館では建て替えのための解体が済んでおり、外苑東通りをはさんだ東京ミッドタウンの向かいでは「TRI-SEVEN ROPPONGI」( 仮称ペンブロークビル新築工事)が2016年春の竣工予定で進行している。

 

さらに、50年以上の歴史を誇る老舗ホテル「ホテルオークラ東京」の本館が2015年8月をもって閉館し、建て替え工事に入る。新たな本館は2019年春の開業を予定しており、高層化して2棟建てになる計画だ。高さ85mの低層13階建てはホテルで、高さ195mの高層35階建ては高層階がホテルで下層階がオフィステナントのフロアになる。

 

2020年の東京オリンピック開催に向け、「おもてなし」の準備が着々と進む赤坂エリア。国際色豊かなこの地で聞こえてくる再開発の槌音は、ビジネス拠点としての可能性を大いに広げることにもなるだろう。

 

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