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2月

13

2013

日本最大の超高層ビル街“西新宿”復権の道程
沈黙を破って動き出した西新宿の大規模再開発
青梅街道の成子天神下交差点から。 右は「住友不動産新宿グランドタワー」

青梅街道の成子天神下交差点から。
右は「住友不動産新宿グランドタワー」

再開発が予定される 「西新宿五丁目北地区」の現況

再開発が予定される
「西新宿五丁目北地区」の現況

かつて「日本最大の超高層ビル街」として知られ、今なお高さ150m以上の超高層ビルの集積では日本一を誇る東京・西新宿。近年は東京・大丸有地区や横浜・みなとみらい、大阪・梅田北ヤードの再開発などに話題を奪われ、日本一の座も怪しくなってきているが、依然として国際的なオフィス街として認知されている。

しかし、西新宿の代名詞であった高さ200m超級の超高層ビルの建築に関しては、1996年8月の「東京オペラシティ」の竣工以来、2008年10月の「モード学園コクーンタワー」の竣工まで、じつに10年以上にわたる長い空白期間があった。この間、都営地下鉄大江戸線が開通したことで西新宿地区の交通網は格段に利便性が高まり、また200m未満の規模のビルは何棟か竣工していた。

もっとも高いビルは2003年1月に竣工した「住友不動産新宿オークタワー」の高さ184mで、これに先立って2002年11月に竣工した「日土地新宿ビル」とともに「新宿オークシティ」を形成しているが、この時点から計算しても5年以上の空白となる。むろん、この間も複数の再開発が計画されていた。だが、バブル崩壊後の長引く日本経済の低迷に加え、西新宿の複雑に入り組んだ地権関係のために用地買収が進まず、実現に至らなかったのである。だが、やがて西新宿地区の復権の風は徐々に吹き始めた。東地区開発計画1-5 街区」が2012 年8 月に着工している。

「モード学園コクーンタワー」の竣工後、2009年4月に「住友不動産西新宿ビル」、2010年3月には「住友不動産新宿セントラルパークビル」と「セントラルパークタワー・ラ・トゥール新宿」の2棟から成る「新宿セントラルパークシティ」が竣工する。これらはいずれも200m未満の規模で、「住友不動産西新宿ビル」は住居フロアを、「新宿セントラルパークシティ」は住居棟を持つ複合ビルであることが特徴である。

 

オフィス街から職住近接へ西新宿は変貌しつつある
青梅街道沿いの「東京医科大学西新宿キャンパス」 の建設工事

青梅街道沿いの「東京医科大学西新宿キャンパス」
の建設工事

2011年3月11日に発生した「東日本大震災」では、新宿ビル街を代表する超高層ビルのひとつ「新宿センタービル」が長周期地震動の影響を受け、13分間にわたって最大1m以上の揺れを観測したことが話題になった。同ビルは1979年竣工で、高さは223mと新宿でも5本の指に入る超高層ビル。最大1m以上といえば人が立っていられないほどの揺れだが、制震装置がはたらき、建物に被害はなかったという。

震災は、日本が世界有数の地震国であり、いつまた巨大地震が発生しないとも限らない状況にあるのだという事実を人々に再認識させたが、同時に、築30年以上が経過したビルが10分以上も揺れても被害が出ない、日本の高層建築技術の優秀さを立証することにもなったのである。震災後も、西新宿の再開発は予定通り進む。2011年5月には「新宿フロントタワー」、同年6月に「新宿グランドプラザ」、12月に「住友不動産新宿グランドタワー」「ベルサール新宿グランド」が竣工した。

予定通り順調に進行する計画がある一方で、計画が思うように進まないケースも少なくない。代表的なのが「西新宿三丁目西地区市街地再開発」だろう。これは1994年4月竣工の「新宿パークタワー」と前述の「東京オペラシティ」に挟まれた約2万6000坪の再開発計画である。現況は木造家屋の密集地帯となっているが、西に山手通り、南は甲州街道に面し、交通の利便性はきわめて高い。

さらに「新宿パークタワー」「東京オペラシティ」とデッキで直結し、周囲と一体化した再開発を目指しているという。東オフィス棟を中心に、北・南・西住宅棟の4棟の200m超級の超高層ビルの建築が計画され、東オフィス棟は高さ338m、地上77階建てで、完成すれば日本一高いビルとなる。だが――2000年に計画が発表され、当初の着工予定であった2007年には修正案が発表されたが、その修正案での着工予定である2011年を過ぎても依然として実現のメドは立っていない。

現在のところ、先に実現しそうなのは西新宿5丁目で進行中の3つの計画だ。それぞれ「西新宿五丁目北地区第一種市街地再開発」および「西新宿五丁目中央北地区第一種市街地再開発」「西新宿五丁目中央南地区第一種市街地再開発」と呼称されている。このうち、「中央北地区」は2008年に都市計画決定し、2011年3月には「市街地再開発組合」が発足しているが、「北地区」および「中央南地区」は2013年1月現在いずれも準備組合活動の段階にある。「中央北地区」では3棟のビルが計画され、うち1棟は地上42階程度のオフィス・住居複合棟になる見込みであり、「北地区」では2棟のビルのうち1棟が地上24階程度のオフィス棟になると想定されている。いずれも住居棟との組み合わせが事業計画の核となっており、“オフィス街”から“職住近接”へ、西新宿は着実に変貌しつつある

 

都庁展望台から西新宿5・6丁目方面。中央に「セントラルパークタワー・ラ・トゥール新宿」

都庁展望台から西新宿5・6丁目方面。中央に「セントラルパークタワー・ラ・トゥール新宿」

 

西新宿地区の今後の再開発動向

西新宿地区の今後の再開発動向

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