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3月

21

2013

千代田区北地区再開発
再開発の後発地帯である千代田区北地区の状況
飯田橋交差点から、ビルの間に 「飯田橋西口地区再開発」の工事現場

飯田橋交差点から、ビルの間に
「飯田橋西口地区再開発」の工事現場

本郷通りから「御茶ノ水ソラシティ」(左)と 「ワテラス タワー」(右)

本郷通りから「御茶ノ水ソラシティ」(左)と
「ワテラス タワー」(右)

東京23区のうち「主要5区」とされる千代田区・中央区・港区・新宿区・渋谷区の中央に位置する千代田区。皇居を中心に、東には中央区、南に港区、西は新宿区とそれぞれ主要5区に隣接している千代田区だが、神田川を挟んだ北側は文京区および台東区に接しており、東西南各方面に比べてビジネスエリアとしては比較的開発が立ち遅れていた感がある。

しかし、東京駅周辺の大丸有地区(大手町・丸の内・有楽町)の再開発計画が大手町の一部を残して一段落した2010年前後から、この神田川沿いの千代田区北地区の再開発が急ピッチで進められてきた。

JR中央線の駅名でいえば、飯田橋から水道橋、御茶ノ水、秋葉原へと続くラインがこれである。このうち、秋葉原は2000年ごろから現在「秋葉原クロスフィールド」と呼ばれている電気街口の再開発が進められ、2005年3月に「秋葉原ダイビル」、2006年1月の「秋葉原UDX」をはじめとする超高層ビルが次々と竣工し、2005年8月の「つくばエクスプレス」の開通とあいまって、日本有数のビジネスエリアへと変貌を遂げている。

これにより、一時は隣接する台東区南街区まで賃料相場の上昇が見られたが、2007年の「リーマン・ショック」以降、やや失速した感は否めない。また、飯田橋に関しては、その恵まれた交通アクセスの利便性が早くから注目されていたものの、特に千代田区側では大規模再開発に必要な敷地面積の確保が難しいという現状から、2008年ごろまでは中小規模のいわゆるコンパクトビル、それも隣接する文京区側や新宿区側が開発の中心であった。

 

急ピッチで建築が進む飯田橋駅西口の再開発

飯田橋の千代田区側で再開発が進みだしたのは、2008年5月竣工の「住友不動産飯田橋駅前ビル」や、2009年3月竣工の「飯田橋プラーノ ステージビルディング」あたりからではないだろうか。いずれも高スペックのインテリジェントビルではあるが、前者は地上13階建て、後者も地上17階建てと、オフィスビルとしては比較的コンパクトなサイズであり、ビジネスエリアとしての千代田区北地区を盛り上げる拠点としてはやや力不足と見ることもできる。

いっぽう、文京区側では「後楽二丁目西地区第一種市街地再開発事業」が進み、2010年4月に「住友不動産飯田橋ファーストタワー」が竣工する。こちらは地上34階建ての超高層ビルであり、7階~21階が高級賃貸住宅「ラ・トゥール飯田橋」となっている複合ビルである。

こうした他区における再開発の進捗を、千代田区側も傍観していたわけではない。三井不動産が満を持して放つ「飯田橋駅西口地区第一種市街地再開発事業」は、2010年4月に着工したビッグプロジェクトだ。これは地上30階建ての「業務・商業棟」、地上40階建ての「住宅棟」、地上3階の「教会棟」の3棟から成る大規模再開発であり、完成の暁には飯田橋周辺の人の流れを一変させるだけの影響力を秘めている。竣工は2014年夏に予定され、現在急ピッチで建築が進んでいる状況である。

 

住宅街としての飯田橋と水道橋周辺の開発状況

飯田橋駅はJRの山手線内を通過する中央線のほぼ真ん中にあるだけでなく、東京メトロの東西線と南北線が交差する唯一の接点でもある。さらに東京メトロ有楽町線と都営地下鉄大江戸線が接続する一大ターミナルステーションであり、“東京のへそ”とも呼ばれている。このアクセシビリティは、通勤先=オフィス街としての魅力はもちろん、通勤元=住宅街としての魅力をも兼ね備えている。

このため、飯田橋周辺の再開発では、オフィス棟と住宅棟の一体型開発、またはオフィス・住宅複合ビルの開発が多く、住宅棟のみの開発案件はさらに多い。直近の供給予定だけを見ても「クラッシィハウス千代田富士見」(2013年2月竣工)、「プラウドタワー千代田富士見レジデンス」(2014年3月竣工予定)、そして前述した飯田橋駅西口地区第一種市街地再開発事業の住宅棟である「パークコート千代田富士見ザ タワー」(2014年3月竣工予定)など、大規模な開発案件が目白押しである。

続いて、隣の水道橋駅。ここでは千代田区側での目立ったオフィスビル開発はなく、住宅棟として「グローベル ザ・ステーション 水道橋」(2013年3月竣工予定)が控えているくらいだ。水道橋周辺では、むしろ文京区側の後楽周辺での再開発の動きが活発である。

そして、次にくるのが御茶ノ水駅だ。ここは断るまでもなく、明治大学の駿河台キャンパスをはじめ教育関連施設が集積する、千代田区内でも隣接する神保町と並ぶ文教地区である。そして、この御茶ノ水駅から次の秋葉原駅へと至る神田川沿いの一帯こそ、今や千代田区北地区でも最大級の再開発エリアとなっている。

文教地区からビジネス街へ御茶ノ水の新たな一面

御茶ノ水駅の聖橋口を出て、秋葉原方向へ神田川沿いに進んでみよう。東京メトロ千代田線新御茶ノ水駅に地下通路で直結した真新しい超高層ビルが、2013年3月に竣工を迎える「御茶ノ水ソラシティ」だ。

ソラシティの敷地の途中から傾斜のきつい坂となり、坂下には「淡路町二丁目西部地区第一種市街地再開発事業」の2棟のビルがある。正面入口から向かって左が事務所・住宅・コミュニティ施設複合の「ワテラス タワー」、右が事務所・商業施設・学生用住宅複合の「ワテラス アネックス」で、いずれも2013年4月に竣工を控えている。

ちなみに、前者は地上41階建てだが、地上23階建てのソラシティと並んでそれほど高さが違わないように見えるのは、建っている土地の高低差によるものだ。

さらに、外堀通りをわたって神田須田町に入る。万世橋のたもと、交通博物館跡地には、2013年1月に「JR神田万世橋ビル」が竣工した。今後も次々に竣工を迎える再開発ビルは、神田川沿いに新たなビジネスエリアを形成し、御茶ノ水に新たな一面をつけ加えている。

 

万世橋上から南西方向を見る。左から「JR神田万世橋ビル」「住友不動産神田ビル2号館」「ワテラス アネックス」「御茶ノ水ソラシティ」

万世橋上から南西方向を見る。左から「JR神田万世橋ビル」「住友不動産神田ビル2号館」「ワテラス アネックス」「御茶ノ水ソラシティ」

 

 

千代田区北地区の今後の再開発動向

千代田区北地区の今後の再開発動向

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