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1月

22

2014

再開発が進む中野区を中心に注目が集まる中央線沿線エリア

東京・主要5区のうち、高いステータスを誇る千代田区や中央区、大規模再開発が相次ぐ港区、IT企業の集積する渋谷区と、それぞれの特徴を活かした街づくりが進むなか、依然として高い空室率に悩むのが超高層ビル街を擁する新宿区。しかし、近年は新宿駅から下り方向の中央線沿いに新たなオフィス街が形成されつつある。今後さらなる発展が見込まれる中央線沿線エリアの現状をリポートする。

 

「中野四季の都市」が拓く新たな東京ビジネスエリア
中野駅北口から中野通りを望む。右奥に見える屋上が2013年11月竣工の「仮)第三山和ビル」

中野駅北口から中野通りを望む。右奥に見える屋上が2013年11月竣工の「仮)第三山和ビル」

2012年竣工の「中野セントラルパークイースト」(左)と「同・サウス」(右)

2012年竣工の「中野セントラルパークイースト」(左)と「同・サウス」(右)

東京のオフィス街といえば、現在もなお主要5区(千代田区・中央区・港区・新宿区・渋谷区)が中心となっている。もちろん、これ以外の23区、あるいは郊外にも他県にもオフィスビルは数多く存在し、少なくない人数がその地で働いているが、企業活動の効率化を進めていく過程で、たいていの企業が都心部への集約を図るという傾向があった。こうした流れの中で、ごく自然に「オフィス街」「住宅街」「繁華街」といった色分けがなされるようになり、その街のカラーは根強いイメージとして認識されるようになった。

東京23区の西部に当たる中野区は、かつては旧帝国軍人の住宅街として知られ、「陸軍中野学校」などを擁する文教地区として発展した。戦後は東京都内でも屈指の住宅密集地となり、都市型ファッションビル「丸井」の創業地としても知られる(ちなみに、現在も株式会社丸井グループの本社は中野区中野4丁目に所在する)。JR中央線で言えば、中野駅は新宿駅から快速・通勤快速・中央特快で1駅目、各駅停車で3駅目という至近距離にある。その交通の便の良さから、もともと駅周辺には中小規模のオフィスビルも見られたが、つい最近までは、どちらかといえば各種専門学校や予備校などの集積する文教地区という色合いの強い街であった。

だが、2001年にそれまで中野駅北口にあった「警察大学校」と「警視庁警察学校」が府中市へ移転したことで、駅から至近距離に約16.8ヘクタールにおよぶ広大な面積の空白が生じ、跡地の再開発計画がスタートしたのである。現在、この中野4丁目は「中野四季の都市」(「囲町」「なかの新都心」などの別名で呼ばれることもある)の名称のもとに再開発が急ピッチで進んでいる。2012年3月23日には区画道路が開通し、これ以降、オフィスビル、大学施設、防災公園、病院などが立ち並ぶ施設群へと生まれ変わったのである。

中野駅北口からはペデストリアンデッキが建設され、かつての中野のランドマークである「中野サンプラザ」の正面を横切って「中野四季の都市」内にある2棟のオフィスビルへの通路となっている。2棟のうち、中央線の線路沿いに建つのが2012年5月に竣工した「中野セントラルパークサウス」である。線路に面した外壁には白地に赤で「KIRIN」のロゴが描かれていることからわかるように、キリンホールディングス(株)をはじめとするキリングループ各社が入居しているのをはじめ、(株)損害保険ジャパンや日本興亜損害保険(株)、チューリッヒ保険会社など、多くの有名企業がオフィスを構えている。また、「中野サンプラザ」に隣接する敷地の東側には2012年3月竣工の「中野セントラルパークイースト」が建つ。こちらには東映アニメーション(株)やCook Japan(株)、栗田工業(株)などが入居している。

この2棟の大型オフィスビルが呼び水となったか、中野駅周辺ではその後も引き続きオフィスビル建設が相次いでいる。2棟の竣工に先立ち、南口の中野通り沿いの中野五差路に2012年2月に竣工した「フェルテ中野」、北口の中野通りから一本奥まった中野サンモール内に2013年11月に竣工した「仮)第3山和ビル」、そして南口の中野通り沿いに2014年4月に竣工予定の「マルニビル」、2015年7月に竣工を予定する「(仮称)中野区中野3丁目ビル計画」など。いずれも小規模な物件ではあるが、これだけの新築ビルが次々に供給されていくことで中野駅周辺というエリア全体を底上げするパワーとなっている。

 

職住近接のトレンドのもとにオフィス戦略の選択肢が拡がる
大久保通り北新宿1丁目交差点にある 「HUNDRED CIRCUS East Tower」

大久保通り北新宿1丁目交差点にある
「HUNDRED CIRCUS East Tower」

都内最大級の1フロア面積を持つ明治通り沿いの「新宿イーストサイドスクエア」

都内最大級の1フロア面積を持つ明治通り沿いの「新宿イーストサイドスクエア」

オフィス街として新たな一面を育てつつある中野駅周辺を中心として、中央線沿線の各駅の存在価値も改めて見直されるようになってきた。中野駅からさらに下った高円寺駅、阿佐ヶ谷駅、そして杉並区に入る荻窪駅。これらの駅周辺は古くからの住宅街であり、オフィスビルの数は決して多くはないものの、近年には小規模ながら新築ビルの供給も見られるようになってきた。

高円寺駅周辺でいえば、高円寺南3丁目に2011年3月に竣工した「FUJIYAビル」、あるいは高円寺北3丁目に2013年1月に竣工した「SKビル」などがそうだ。阿佐ヶ谷駅周辺には阿佐谷北3丁目に2013年2月に竣工した「QUVELLA阿佐ヶ谷ビル」などがある。そして荻窪駅周辺には上荻1丁目にエリア最大級の規模を誇る「インテグラルタワー」があり、日本HP荻窪事業所が2011年に退去した後の空室に、新たなテナントが決まりつつある。このあたりになると、主要5区からの距離はそれなりにあるものの、JR中央線と、直通運転を行っている東京メトロ東西線、それに並行して東京メトロ丸の内線も徒歩圏にあり、意外に交通の便も良い。何より、近隣は居住性の高い住宅街であり、「職住近接」という新たなトレンドのもとに今後ますます注目されるエリアということができる。

そして、中野駅から各駅停車で新宿方面に向かうなら、東中野駅と大久保駅がある。この周辺には新築ビルの供給はほとんどないが、中野区の東中野、新宿区の上落合、北新宿、百人町といった地域には2000年代に供給された築浅ビルが多く、さらに新築同様にリニューアルされた既存物件も数が揃っている。たとえば、大久保駅から徒歩1分という至近距離に位置する百人町2丁目の「HUNDRED CIRCUS East Tower」は、1992年の竣工ながら2008年に増築棟が竣工し、既存棟もリニューアル済みで最新の設備が充実している。こうした既存リニューアル物件も視野に入れれば、今後のオフィス戦略においてさらに選択肢が増えるに違いない。

 

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