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11月

19

2014

大丸有地区 最後の空白地 大手町エリアをめぐる 再開発動向とは

皇居と東京駅の中間に位置し、多くの地下鉄路線が交差する交通の大動脈・大手町駅。隣接する丸の内・有楽町と合わせて「大丸有地区」と総称され、オフィスビルを中心として地域単位での大規模再開発が進められてきた。2014年現在、先行する丸の内・有楽町地区の再開発はほぼ完了しており、残るは大手町地区のみ。
東京駅前最後の空白地帯となった大手町再開発の現状と今後を展望する。

 

地下鉄駅として日本最大のターミナル・ステーション
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「大手町一丁目地区」の連鎖型再開発の第一弾となった「日経ビル」「JAビル」「経団連会館」の3棟の超高層ビル

大手町の地名は、江戸城大手門前の町に由来する。
大手門とは、もともとは「追手門」という字を当て、城郭の正門を指す。現存する大手門は、もはや正門としての機能は失われ、皇居前広場の東側に位置する脇門に過ぎない。

だが、大手門を中心に永代通り沿いに広がる大手町は、東京駅に地下通路で直結し、東京メトロ丸ノ内線・東西線・千代田線・半蔵門線、都営地下鉄三田線が乗り入れる地下鉄駅としては日本最大のターミナル・ステーションを擁する一大オフィス街として発展してきた。

 

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左 「日経ビル」などが取り壊された跡地に建設された「大手町フィナンシャルシティ」 右「読売新聞ビル」 は2013年11月に建替えられた

すぐ南隣に位置する丸の内は、1890年(明治23)に三菱2代目当主岩崎弥之助に払い下げられ、三菱一号館を皮切りに「一いっちょうろんどん丁倫敦」と呼ばれる赤煉瓦街が造成されたという歴史的経緯から、現在も三菱グループ各社の本社や三菱地所所有のオフィスビルが集積する「三菱村」を形成している。これに対し、大手町では三井物産本社ビルを中心とする三井系ビルの集積が一部に見られるものの、全体としてはさまざまな地権者が入り組んでおり、特定企業のカラーには染まっていない。

皇居の周囲を走る内堀通りと、大手門から東京駅へ向かって伸びる永代通りを中心にブロック単位で分かれた各街区には、政府系金融機関や大手都市銀行、商社・マスコミの本社などが集積し、大手町は丸の内と並ぶ日本経済の中心地と位置づけられている。

第二次大戦末期における空襲で大手町も戦火に焼かれたが、戦後ほどなく復興に着手され、高度経済成長期には旧財閥系を中心とする大企業の本社ビルなどが建ち並び、日本経済を牽引するオフィス街として甦った。しかし、それから半世紀以上を経た1990年代の終わりになると、多くのビルは老朽化し、代わって西新宿や渋谷などの新興オフィス街が脚光を浴びるようになった。

テナントが玉突き移転する連鎖型再開発を実施

1990年代末から2000年代初頭にかけて、老朽化が進んだ大丸有地区の再開発計画が本格的に動き始め、2002年(平成14)における「丸の内ビルディング」(丸ビル)竣工を皮切りに、まず丸の内の街並みが劇的な変貌を遂げた。丸の内の場合、東京駅の真正面という圧倒的な地の利に加え、前述したように三菱グループがほぼ全域を占有していることから計画的な再開発が比較的容易であったことも一因と考えられる。

いっぽう、大手町は地権関係が複雑であり、再開発に必要なまとまった土地を確保するにはある程度の時間を要した。

何もない空き地にビルを建てるのとは違い、老朽化したとはいえ多くのテナントが使用中のビルを取り壊して新しいビルを建てるには、テナントの移転先や賃貸条件などさまざまな調整が必要であり、地権者の一存では進められない。

 

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4 注目の商業ゾーン「OOTEMORI」がオープン1周年となった「大手町タワー」 5 日比谷通りとの交差点では「(仮称)三井住友銀行本店東館計画」が進行中 6 14年6月に竣工したばかりの「日本生命丸の内ガーデンタワー」

 

そこで、大手町地区で採用されたのが連鎖型再開発と呼ばれる手法であった。

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オフィス棟の他に、室全室が和室、温泉大浴場を備えた宿泊施設も建設される「大手町一丁目第3地区」は連鎖型再開発の第三弾となる

簡単にいえば、A・B・Cビルのテナントを退去させ、この3棟を取り壊して新たにDビルを建築する。完成したDビルには、E・Fビルに入居中のテナントを移転し、空きビルとなった2棟を取り壊してGビルを建築する―という玉突き移転をくり返し、最終的に大手町全体の再開発が完成する。

先行して進められていた丸の内地区の再開発が「新丸の内ビルディング」(新丸ビル)の竣工で一段落した2007年(平成
19)頃から、いよいよ大手町地区の連鎖型再開発が本格化する。第1次再開発事業である「大手町一丁目地区 第一種市街地再開発事業」は、地権者5者の同意により(有)大手町開発を施行者として推進し、「日経ビル」「JAビル」「経団連会館」の3棟の超高層ビルとして2009年(平成21)4月に竣工。

続いて、第2次再開発事業である「大手町一丁目第2地区 第一種市街地再開発事業」は、第1次再開発参加地権者の従前地である約1.4haの土地に「大手町フィナンシャルシティ ノースタワー/サウスタワー」として2012年(平成24)10月に竣工している。

 

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現在解体中の逓信ビルと東京国際郵便局ビルの跡地には「大手町二丁目地区再開発事業」として2つの超高層ビルが建つ

現在進行中の再開発事業と大手町の未来予想図
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内堀通り沿いの「(仮称)大手町1-1計画」による再開発ビルが姿を現した。かつては「りそな・マルハビル」と「三菱東京UFJ銀行大手町ビル」の2つのビルが建っていた

2013年(平成25)11月には、大手町地区の再開発で最初期(2002年)に竣工していた「大手町サンケイビル」に隣接する「読売新聞ビル」の建替え工事が完成した。これにより、同街区内では既存の「KDDI大手町ビル」を挟んで北東隅の一角約1.1haが残り、ここが第3次再開発事業である「大手町一丁目第3地区 第一種市街地再開発事業」のステージとなっている。

これは前述した第2次再開発参加地権者の従前地であり、「日本政策投資銀行(DJB)本社ビル」「公庫ビル」「新公庫ビル」の3棟を取り壊して、A・B2棟の超高層ビルが建築されることになっている。

第3次再開発事業は2014年(平成26)4月1日に計画通り着工され、完成は2016年(平成28)春を予定している。

 

また、永代通りに面した「大手町ファーストスクエア」の隣接地では、地上38階建ての「大手町タワー」が2014年4月に竣工した。10月には商業ゾーンである「OOTEMORI」もオープン1周年を迎え、大手町にさらなる活気をもたらすことが期待されている。ここから永代通りを渡った日比谷通りとの交差点では「(仮称)三井住友銀行本店東館計画」が進行中であり、日比谷通りの向かい側では「日本生命丸
の内ガーデンタワー(計画名は〔仮称〕日本生命大手町ビル)」が2014年6月に竣工した。

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「三井物産ビル」ほか3棟のビルは「大手町一丁目2番街区計画」によって、商業業務複合施設に生まれ変わる予定だ

 

ほかにも、旧逓信総合博物館(ていぱーく)を含む街区では「大手町二丁目地区再開発事業」が進行中で、2018年(平成30)6月竣工を予定している。内堀通りに面した南側の街区では「(仮称)大手町1-1計画」として、地上22階建てのオフィスビルであるA棟と、地上29階建ての複合ビルであるB棟が建築中だ。

A棟は2015年( 平成27)11月中旬、B棟は2017年(平成29)夏に竣工を予定している。そして、通りを挟んだ北側の街区には現在、「三井物産ビル」「大手町一丁目三井ビルディング」「大手町パルビル」の3棟が建てられているが、ここに2019年(平成31)竣工を目指して総延床面積352,000m2のツインビルを建てる計画が進められている。

 

 

 

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